著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学元教授、医事評論家

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

(4)痩せすぎが招く「糖尿病」「高脂血症」「高血圧」…中高年も危険

公開日: 更新日:

 若い女性だけでなく、中高年の痩せも大きな問題となっています。「中年太り」という言葉があるように、普通は加齢とともに体重が増加するのですが、最近は生活習慣病が心配で、無理なダイエットを試みる中高年が増えています。ところがそれがかえって病気を呼び込んでしまうのです。

 たとえば糖尿病です。多くの人は、痩せれば糖尿病が予防できると思っていますが、じつは痩せすぎも糖尿病のリスクを上げることが分かっています。血糖を効率的に消費するためには、筋肉が必要なのですが、ダイエットで筋肉まで落ちてしまうと、逆に血糖値が上がりやすくなってしまうのです。

 またホルモンの多くは脂質から作られますが、低体重の人は体脂肪が少ないため、ホルモン不足にも悩まされます。たとえば低体重の人ほど更年期障害の症状が重く、長期化しやすいことがよく知られています。ほかにもホルモンバランスの崩れから、痩せているのに高脂血症や高血圧になる人もいます。

 骨粗しょう症のリスクも上がります。骨は毎日少しずつ作り直されています。しかし低体重の人は骨になる栄養素が不足しているため、徐々にスカスカになっていきます。骨折のリスクが上がり、ちょっとつまずいたり転んだりするだけで、足や股関節を骨折します。座っているだけで脊椎の圧迫骨折になる人も少なくありません。そうなると移動や外出が難しくなり、寝たきりになって、次第に脳の機能が衰えて認知症になっていきます。低体重の人の認知症リスクは、標準体重の人と比べて1.5倍という研究結果もあります。

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