豊洲「盛り土」提言を無視 新会議を立ち上げた真犯人は?
移転を覆う闇が、かすかに晴れてきた。各売り場棟地下に適切な「盛り土」が行われなかった豊洲新市場の土壌汚染対策は、もともと07年5月に当時の石原知事が平田健正・放送大学和歌山学習センター所長を座長とする「専門家会議」を設置。会議は翌08年7月まで計9回開催し、敷地全体に盛り土をするよう提言をまとめ解散した。
その直後の08年8月に、都は専門家会議の提言をいかに実現すべきかを検討する「技術会議」(座長=原島文雄・首都大学東京前学長)を発足させた。わざわざ新たな組織を作ったのはなぜか。
豊洲の土壌汚染問題を長年追及する日本環境学会元会長の畑明郎氏はこう言う。
「専門家会議には、平田氏をはじめ、土壌汚染対策の現場に精通したメンバーが名を連ね、相当厳格な対策を提言していました。彼らの提言通りに対策工事を行うと、1000億円以上の費用がかかることが予想された。都は『高すぎる』と慌てたのでしょう。専門家会議の提言を“骨抜き”にするために、新会議を設立したのではないか」