日刊ゲンダイDIGITAL

  • facebook  
  • twitter  
  • Facebook Messenger

農水省はまるで他人事 東京五輪選手村「食材不足」の元凶

 エンブレムのパクリ問題や新競技場をめぐるドタバタ劇など“いわく”続きの東京五輪に、また新たな問題が浮上した。競技選手らに提供する「食料不足」の可能性だ。

 五輪選手村などで提供される食材の採用要件となっているのが「農業生産工程管理」(GAP)だ。GAPとは、農業生産の適正な運用を示す認証のこと。安全性や環境保全などの証明になり、東京五輪でも、組織委は「GAP」を取得している産地からの調達を義務付けている。ところが、農水省によると、国内で「GAP」を取得しているのは、野菜やコメ、麦など約4400ある農産地のうちの2%足らず。

「このままだと、東京五輪の食材を国産で確保するのは難しい」(農業環境対策課)という状況なのだ。

■「GAPは国内市場でメリットなし」

 組織委によると、2012年のロンドン大会では1500万食以上が選手やボランティアらに提供されたといい、東京五輪でも同程度の食事が必要になりそうだが、このままだと、せっかくの日本開催の五輪にもかかわらず、食材は海外輸入品に頼らざるを得ない──なんて事態に陥りかねない。海外では、農作物のサプライヤーに「GAPの取得」を義務づけている国も少なくない。日本政府はこれまでに6575億円もの「TPP対策費」を投じて「体質強化」を図ってきた。農業の国際競争を見据えた政府の「世界で通用する強い農業」の施策の中には当然、海外展開に不可欠な「GAPの取得」もあったはずなのに、今まで何をしていたのか。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のニュース記事