田岡俊次
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田岡俊次軍事評論家、ジャーナリスト

1941年生まれ。早大卒業後、朝日新聞社。米ジョージタウン大戦略国際問題研究所(CSIS)主任研究員兼同大学外交学部講師、朝日新聞編集委員(防衛担当)、ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)客員研究員、「AERA」副編集長兼シニアスタッフライターなどを歴任。著書に「戦略の条件」など。

北の核・ミサイルは超激安 制裁で開発ストップ狙う無意味

公開日:

 今月22日の衆議院議員選挙を前に、自由民主党は2日に公約を発表。「北朝鮮への国際社会の圧力強化を主導。核・ミサイル計画の放棄を目指す」としている。だがそれが実現できる可能性は極めて低いと考えざるを得ない。

 厳しい経済制裁で核・ミサイル開発の資金を断つことを目標としているようだが、北朝鮮がそれに費やしている経費は意外に少ない。河野外相は8月30日の衆議院安全保障委員会で「韓国外交部などとの意見交換では、昨年2回の核実験と二十数発のミサイル発射で少なくとも200億円」と述べた。日本が購入中のF35A戦闘機は1機146億円だから、200億円ならその1.4機分、イージス艦は1隻1740億円だから約9分の1だ。

 ひどく安いように思えるだろうが、戦闘機は構造が複雑、精巧で、最先端の電子装備の塊だし、20年以上使われ数千時間、ものによっては1万時間以上飛行する。一方、弾道ミサイルは基本的には燃料と酸化剤のタンク、それを燃焼させるロケットエンジン、ジャイロ式の姿勢制限装置と加速度計を持つだけの簡単な構造だ。燃焼時間は短・中距離ミサイルで約1分、ICBMで5分程度。あとは惰力で弾道飛行するからエンジンの寿命はその程度でよい。第2次大戦中のドイツが敗戦直前の約1年間に「V2号」弾道ミサイルを約6000発も造れたのは簡単だったためだ。

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