高橋乗宣
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高橋乗宣エコノミスト

1940年広島生まれ。崇徳学園高から東京教育大(現・筑波大)に進学。1970年、同大大学院博士課程を修了。大学講師を経て、73年に三菱総合研究所に入社。主席研究員、参与、研究理事など景気予測チームの主査を長く務める。バブル崩壊後の長期デフレを的確に言い当てるなど、景気予測の実績は多数。三菱総研顧問となった2000年より明海大学大学院教授。01年から崇徳学園理事長。05年から10年まで相愛大学学長を務めた。

安倍政権の2つの「革命」からにじみ出る色濃い国家主義

公開日: 更新日:

 安倍政権が2兆円規模の「政策パッケージ」を閣議決定した。安倍首相が唐突にブチ上げた「人づくり革命」と「生産性革命」を実現させると息巻いているが、こんな思いつきだけの人気取り政策を、よくもまあ、やれるものである。

 人づくり革命の柱は「教育の無償化」だ。幼児教育・保育のほか高等教育も対象で、低所得世帯は国立大の授業料と入学金を免除し、私立大でも補助する。公明党が求めた私立高校授業料の無償化も所得制限を設けて実施する。

 無償化といえば聞こえはいいが、財源は国の税金だ。子供を抱える世帯に代わって、国が教育の基本コストを肩代わりするわけだが、危惧されるのは、教育現場への国家の介入だ。

 無償化によって国の負担が増えるほど口を挟んでくるに違いない。日本の教育現場は、学校ごとに特色ある教育方針を掲げている。特に私立はその傾向が顕著だが、国の介入が強まれば各校の特色は失われていく。最悪の場合、国の教育方針に従わなければ「無償化」の対象にならないということも想定される。

 革命とは根本から変えることだ。「人づくり革命」を掲げる安倍首相は、戦後に花開いた自由な民主教育をひっくり返したいのではないか。いきなりは無理にしても、教育無償化は戦前回帰・軍国教育復活への道を開くことになりかねない。

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