反省なき防衛省 日報「責任者」を入省案内にシレッと掲載
「ない」と言っていた日報が存在した――。陸上自衛隊のイラク日報問題を巡り、河野克俊統合幕僚長は24日、「信頼回復に全力で努める。絶対に繰り返さない体制を取っていきたい」と釈明したが、とても期待はできそうにない。
日刊ゲンダイは、防衛省の「総合職事務系・技術系共通 入省案内」(2019年)を入手。海外勤務に従事している「先輩職員」を紹介するページに、陸自の南スーダンPKO日報隠蔽問題の「実務者」がシレッと掲載されているのだ。
問題の人物は、小川修子・在中国大使館政治部一等書記官。昨年8月に防衛省から外務省に“栄転”したのだが、問題発覚当時、日報の管理を担当する統合幕僚監部参事官付国外運用班長を務めた渦中の人なのだ。
「小川氏は所属部署で日報を保管していることを知りながら、私の情報開示請求に不開示決定を下しました。その後、野党議員のヒアリングに対しても、『日報は不存在』と虚偽の説明をした。入省案内への掲載は、防衛省の消極的な調査姿勢を象徴しているように見えます」(ジャーナリストの布施祐仁氏)
防衛省に問い合わせると「小川書記官が問題に関わっていたのは事実だが、管理職にあったわけでなく、特別防衛監察の結果を受けて行われた処分の対象にもなっていない。そのため、入省案内に掲載することに問題はない」と説明。先輩が問題のキーパーソンでは、新人も頭が痛い。