孫崎享
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孫崎享外交評論家

1943年、旧満州生まれ。東大法学部在学中に外務公務員上級職甲種試験(外交官採用試験)に合格。66年外務省入省。英国や米国、ソ連、イラク勤務などを経て、国際情報局長、駐イラン大使、防衛大教授を歴任。93年、「日本外交 現場からの証言――握手と微笑とイエスでいいか」で山本七平賞を受賞。「日米同盟の正体」「戦後史の正体」「小説外務省―尖閣問題の正体」など著書多数。

兆候あらわ トランプ政権は中国との対決姿勢に舵を切った

公開日: 更新日:

 ところが今、米国の中国専門家は、トランプ政権が中国攻撃に方針を変えたという見方でほぼ一致している。最近の米国の動きを挙げると、この兆候はいろいろなところに表れてきている。

▽中国の経済大国化に対し、中国製品に関税上乗せ(特に先端産業製品に的を絞って)。

▽中国の軍事大国化に対し、国防総省内に「宇宙軍」を創設。

▽アジアに対する影響力拡大。アジア各国に対し、エネルギー、インフラ、デジタル商業などへの投資策を提言。

▽中国敵視政策によって国内保守層の支持獲得を狙う。

▽大統領選挙で、共産国のロシアと協力したと攻撃されているため、共産国としては中国がより大きい脅威だとして関心を中国に向けたい。

 台湾の蔡英文総統は中南米を訪問した際、経由地となった米国のヒューストンやロサンゼルスで演説し、歓迎ムードが漂う中で存在感を発揮したという。

 トランプ政権は中国と対峙する方向性を打ち出しているが、戦略は具体性に欠けていると言わざるを得ない。というのも、中国はすでに経済力、軍事力があるからだ。米国内では、中国の大国化を抑える具体策があるのか、懐疑的な見方も少なくない。

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