(3)なぜ梅毒は家庭内に侵入したのか…見えてきた感染ネットワーク

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 では、なぜ梅毒はここまで広がったのだろうか。

 東京都のデータを見ると、流行を支えていたのは異性間感染だった可能性が高い。異性間感染は2023年にピークを迎えた一方、同性間感染は大きな増減を示していない。つまり今回の流行は、一部のコミュニティーだけで完結したものではなく、一般社会の男女を巻き込んだ流行だったと考えられる。

 その背景としては、マッチングアプリの普及、人の移動の活発化、コロナ禍後の接触機会の増加などが指摘されている。しかし、それだけでは今回の流行の広がりを十分に説明することは難しい。

 近年、社会問題化された歌舞伎町の立ちんぼやSNSを利用した個人売春は一見すると、個人がスマートフォンを使って相手を探しているだけのように思える。

 しかし犯罪社会学者やルポライターの間では、「個人化して見える性産業の背後で、むしろ売春の組織化が進んでいる」との指摘がある。

 実際、近年摘発された全国規模のスカウト組織は、SNSを利用して女性を集め、風俗店や売春の場へ紹介する仕組みを構築していたとされる。

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