識者が指摘 地盤沈下の豊洲市場は開場なら“通路陥没”危機
来月11日の開場を目前に、豊洲市場でまさかの事態が発生した。東京都は11日、豊洲市場の仲卸売場棟の建物と舗装の接点部分に幅10メートル、深さ5センチのヒビ割れが発生したと発表した。原因は地盤沈下で、都は昨年秋には気づいていたが、仲卸業者が指摘するまで隠していた。
豊洲市場は建物の周囲に土壌汚染対策の盛り土をしているが、原因は盛り土と、その下にある粘土層が水分を失い徐々に沈下したこと。都は当初からこの事態を想定しており、一定の時間が経てば収束するとみているという。開場までに緊急の補修工事をする方針で、市場業務に影響はないとしている。建築エコノミストの森山高至氏はこう指摘する。
「都は豊洲市場の地下汚染水の上昇を防ぐ目的で、『地下水管理システム』を稼働させています。地下水位に異常がないかチェックするために常に計測し、定期的にホームページで公表している。そのため、公表値を低く見せかけたいのか、計測用の井戸周辺で集中的にポンプで地下水をくみ上げています。一時期はバキューム車で地下水をくみ上げていたこともありました。地下水をくみ上げすぎた結果、粘土層の水分が失われ、地盤沈下が起きた可能性があります」