孫崎享
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孫崎享外交評論家

1943年、旧満州生まれ。東大法学部在学中に外務公務員上級職甲種試験(外交官採用試験)に合格。66年外務省入省。英国や米国、ソ連、イラク勤務などを経て、国際情報局長、駐イラン大使、防衛大教授を歴任。93年、「日本外交 現場からの証言――握手と微笑とイエスでいいか」で山本七平賞を受賞。「日米同盟の正体」「戦後史の正体」「小説外務省―尖閣問題の正体」など著書多数。

報復関税の応酬に見える米中両国の譲れない「覇権争い」

公開日: 更新日:

 米国のトランプ政権が、中国からの2000億ドル(およそ22兆円相当)の輸入品に対する追加関税を10%から25%に引き上げ、さらに3000億ドル規模の輸入品にも追加関税を課す手続きを開始すると発表した。

 中国もただちに報復関税を課す姿勢を発表したが、中国の対米輸出額は約5000億ドル。これに対し、米国の対中輸出額は約1200億ドル。過熱すれば、ダメージは中国の方が大きいだろう。

 ところで、この報復関税の応酬で米国は利益を得られるのだろうか。言うまでもないが、新たな関税は商品に転嫁される。つまり、米国民にとっても負担が増す。中国製品の流入が減った分、米国内の生産が増えるのかといえば、それはほとんどない。報復関税の応酬は米中双方の経済を痛めることになるにもかかわらず、なぜ続いているのか。

 理由のひとつは中国経済の追い上げに対する米国民の不安である。CIA(米国中央情報局)は「WORLD FACTBOOK」というサイトで、各国の経済力を比較している。購買力平価ベースで1位は中国で23兆ドル、2位が米国で19兆ドル。将来の経済発展のカギを握るとされる通信技術分野「次世代5G」の標準必須特許出願数の割合でも、中国の34%に対し、米国は16%だ。

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