進次郎農相のハイテンション売り口上がアダに…放出備蓄米が想定外の大人気で「7.20参院選」まで持たない
弾が尽きるのも時間の問題だ。随意契約で放出する備蓄米への申し込みが殺到し、農水省は27日夜、新規受け付けをいったん中止。申請開始から2日も経たず“札止め”とは、小泉進次郎農相の客寄せ効果は恐るべしだが、好事魔多し。このペースで「5キロ2000円」の安いコメが出回れば、夏の参院選の頃には、まさかの大誤算を招きかねない。
■店頭に並んだ途端に即、完売必至
大臣就任から1週間余り、進次郎氏の姿がTVに映らない日はない。バナナの叩き売りのように5キロ2000円を連呼し、備蓄米への注目はガ然、集まった。26日に随意契約の申し込みが始まると、対象の大手小売りはわれ先にと安いコメを求め、想定を上回る約70社が問い合わせ、2022年産は瞬く間に上限の20万トンに達した。きょうから引き渡しを始め、来週にも店頭に並ぶ見通し。これだけ備蓄米の関心が高まれば、店頭に並んだ途端に即、完売必至だろう。
残り10万トンの21年産は、中小スーパーや米穀店に対象を絞る。人気の22年産を優先して大手に配り、おこぼれの21年産は中小・零細に回すとは、進次郎らしい弱肉強食の新自由主義的な対応ではある。21年産の店頭価格は「5キロ1800円」を目指す。さらなる割安設定で儲けが出るのかと思いきや、心配ご無用だ。
備蓄米の売り渡し価格は、22年産が60キロあたり1万1010円、21年産は同1万80円。5キロ換算はそれぞれ917.5円、840円となる。仕入れ値は店頭価格の半分以下と、うまみたっぷり。しかも輸送費まで国が負担するから、まさに“あご足つき”の好条件である。
「精米や袋詰めのコストを差し引いても、マージンが高すぎる印象です。小売業者からコメは利幅が低く、だから店頭価格を下げられないと聞いていただけに、破格の取引条件。申し込みが殺到するのも納得です」(経済評論家・斎藤満氏)