渡辺周
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渡辺周「ワセダクロニクル」編集長

1974年、神奈川県生まれ。早稲田大学政治経済学部を卒業後、日本テレビに入社し、2000年から朝日新聞。高野山真言宗の資金運用や製薬会社の医師への資金提供の実態をスクープしたほか、原発事故後は長期連載「プロメテウスの罠」取材チームの主要メンバーとして活躍した。2016年3月に退社、ニュース組織兼発信媒体「ワセダクロニクル」の編集長に就任。

「核開発の父」カーン博士の告白には日本も敏感に反応

公開日: 更新日:

プルトニウム製造係長 竹村達也さん

 1972(昭和47)年、茨城県東海村の動燃(現・日本原子力研究開発機構)で働く科学者・竹村達也が失踪した。大阪大学工学部を卒業し、米アルゴンヌ国立研究所にも留学、帰国後はプルトニウム製造係長も務めていたエリートだ。その後、竹村の名前は警察庁の拉致関連リストに登場する。

 プルトニウム技術者だった竹村達也の失踪に対して、警察や動燃の後身である日本原子力研究開発機構の動きは鈍い。しかし、2004年にある科学者と北朝鮮の関わりが発覚した時は、日本政府に緊張感が走った。

 その男の名は、アブドル・カディール・カーン。パキスタンでは「核開発の父」と言われ国民的な英雄だったが、北朝鮮、リビア、イランに核兵器に使える技術や機器を流したことを04年の2月に告白した。

「核の闇市場」が存在する――。世界中に戦慄が走った。

 国際原子力機関(IAEA)のエルバラダイ事務局長は、カーン博士がパキスタンの国営テレビで告白した翌日、「カーン博士は氷山の一角だ。核の闇市場は巧妙に活動している」と語った。

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