日本の敵はどこに?コロナ対策より防衛費に予算を割く愚行
世界の有名な歌劇場といえば、ミラノのスカラ座、パリのオペラ座、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場だ。世界のクラシック愛好家はもちろん、音楽に詳しくない観光客も引きつけるオペラの殿堂である。
その運営が危機的状況に追い込まれているようだ。先日帰国したイタリア在住のオペラ歌手によると、スカラ座は潰れそうなほどの危機に瀕しているという。またイタリアの劇場では、数年前から歌手たちへのギャラの未払いもあると聞いている。
ヨーロッパでは主要な音楽祭の多くが中止や規模縮小となった。スカラ座も2月のキャンセル以降、公演ができない状態。9月から来シーズンを開始すると決めたが、予定通り実現できるのかは不透明だろう。ドイツでは、3人以上の合唱団の活動は禁止され、違反すれば罰金を取られるそうだ。もっともドイツでは、州によって細かな違いはあるものの、芸術家に対して補助金を拠出している。総額1200億円規模の支援だ。
日本でもフリーランスの芸術家1人に20万円、20人以上の団体に最大150万円という支援策を決めた。むろん十分なレベルとはいえないが、ほかの個人向けや個人事業主向けと比べて格段に劣るわけでもない。いずれの支援策も、そもそも満足できるような内容ではないのだ。