<4>保坂展人世田谷区長を直撃 「政治の問題ではなく科学」
「開始をして、有用で意義があると確信を強めている」――。先週15日の定例会見で、世田谷区の保坂展人区長は実感を込めて語った。
区は10月から有症者や濃厚接触者に限らない「社会的検査」を高齢者の多い介護施設で開始。14日までに17施設で271件実施し、2人の陽性が確認された。検査していなければ“介護施設クラスター”が発生していたかもしれない。早くも社会的検査が感染拡大を防いだのである。来年1月までに2万6000件の検査を実施する予定だ。
会見後、保坂区長を直撃した。
――7月末に「世田谷モデル」を打ち出してから何が変わったか。
8月半ばに厚労省は、社会的検査に理解を示した。安倍前首相は8月28日の辞任表明会見で高齢者施設や病院での定期的な一斉検査の方針を打ち出した。辞任に隠れて、ほとんど報道されなかったものの重要な方針です。厚労省は9月15日に自治体に社会的検査を推奨する通知を出した。つまり、全国で社会的検査ができるようになった。こんなに短期間で国の方針が変更されることは普通はありえない。