“裏街道一筋”だった森喜朗氏 誰が国際舞台に押し出したか
この手法は今回の五輪組織委会長交代劇にも十分に発揮された。森は、不適切発言で在位が危うくなるや、自分の権力を守ってくれそうなサッカー界のドン・川淵に、極秘裏に後継を託した。
ところが、よほどうれしかったのか、川淵が自ら談合を公開し、この陰謀は一巻の終わりとなった。
日本の各界の実力者には、表通りを歩くボスもいれば、裏街道一筋でのし上がるタイプもいる。どちらかといえば、後者の方が多い。理念や計画を明確にして進むよりは裏取引、談合の人脈を利用する方がたやすい。昔の記事などで、森の人生を振り返る時、その流れがよくわかる。
森は、小学校を越境入学でクリアするが、早大進学はラグビー関係のコネを利用して強引に突破した。その後、人情と利権と脅しで人脈を広げ、裏口から首相官邸に入ってしまった。