著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

「英霊に申し訳ないではないか」という声であふれた

公開日: 更新日:
初閣議後勢ぞろいした近衛改造内閣閣僚。前列左から4人目が近衛文麿首相、その左後ろは米内光政海相、右後ろが杉山元陸相(1938年5月27日、首相官邸)/(C)共同通信社

 汪兆銘を引き出す折に、影佐禎昭や今井武夫は、平和回復後の2年以内に「日本軍は支那から撤兵」との約束を伝えていた。このほかにも満州国の承認などといった条件があったにせよ、この撤兵というのは汪兆銘側にとっては最大の条件であった。しかし近衛首相が発表した「日支新関係調整方針」には、こ… 

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