ウクライナめぐり米欧ロが協議開始も…日本の防衛当局は「4月有事」にピリピリ
国際情勢がいかにもキナ臭い。ロシア軍の増強で緊張が高まるウクライナ情勢をめぐり、米欧とロシアによる高官協議が始まったが、溝は深まる一方だ。対米関係の悪化でロシアとの連帯を強める中国の動向もリンクし、日本の防衛当局もピリピリ。「4月有事」までささやかれ始めている。
米国のシャーマン国務副長官とロシアのリャプコフ外務次官は10日(現地時間)、ジュネーブで戦略的安定対話を開いた。ウクライナ国境周辺に約10万人の部隊を展開するロシアは、ウクライナを含むNATO(北大西洋条約機構)の東方不拡大を柱とする条約案の承認などを要求。緊張緩和が先決だと強調する米国は拒絶し、主権国家が同盟国を選択する自由という国際原則を譲らない。
ロシアと米欧の協議は今週いっぱい続き、12日にブリュッセルで対ロ協力の枠組みであるNATOロシア理事会、13日にOSCE(欧州安保協力機構)の会合が予定されている。
「プーチン大統領はあえて高過ぎるボールを投げているのではないか。ロシアのウクライナ侵攻は既定路線で、南北から挟み撃ちが警戒されている。2014年に併合した南部クリミア半島、ルカシェンコ大統領と盟友関係にあるベラルーシから侵攻する作戦です。開催まで1カ月を切った北京五輪・パラリンピックの閉幕後、4月が節目になる可能性がある。同時に中国による台湾侵攻も懸念されています。現実になれば、在沖縄の米軍基地も標的になりかねません」(防衛省関係者)