萩生田政調会長の訪台で自民党内“亀裂”の舞台裏…「台湾有事は安倍派有事」だったのか
日本と中華民国(台湾)の断交50周年を記念して11日、台北で今後の日台関係を探求するシンポジウムが開かれた。日本側を代表して自民党政調会長・萩生田光一が基調報告を行い「『台湾有事は日本有事』との安倍元首相の言葉の正しさを証明した」と中国の台湾周辺での大規模軍事演習に触れ、日本と台湾のパートナーシップを新たな次元へ押し上げると訴えた。
しかし、このシンポジウムは人選をめぐって迷走が続き、ぎりぎり年の瀬開催にこぎつけたという。
台湾外交関係者によれば昨年以来、台湾の民間シンクタンクが企画し、日本側出席者の人選を進めていた。これに日本の台湾向け民間交流機関「日台交流協会」が政治家訪台にストップをかけたため、シンクタンクが反発して開催を断念。交流協会と台湾の日本向け交流団体「台日関係協会」が引き取り、年内開催にこぎつけた。
しかし蓋を開ければ萩生田、小野寺五典ら閣僚経験者ら衆参7人の議員、元中国大使、台湾研究者ら大型訪台団となった。
自民党政調会長の訪台は2003年の麻生太郎以来で、ペロシ米下院議長(当時)の訪台が大陸を刺激して大規模な軍事演習につながったため、自民党内からも不安の声が聞かれた。
「台湾駐日代表の謝長廷が交流協会の意図を知ってか知らずか、萩生田を一本釣りしたんですよ。外交的突破が大好きでスタンドプレーばかりの謝らしい独断でしょう」