シャッポのすげ替えではどうにもならない 八方塞がりで再選出馬断念 絶望的な自民党の今後(上)

公開日: 更新日:

自分たちの生き残りしか考えていない自民党の浅ましさ

 岸田の退陣表明を受け、自民党議員はホッと胸をなで下ろしている──これが正直なところだろう。

 身から出たサビとはいえ、裏金事件で自民党に対する国民の怒りは頂点に達し、4月の衆院3補欠選挙や7月の東京都議補選など地方選挙でも連敗続き。党改革を掲げて地方で車座対話を行えば、出てくるのは岸田への退陣要求。内閣支持率は2割台に低迷し、世論調査では、「9月の総裁任期満了で辞めて欲しい」が7、8割に達する。

 自民党内は「表紙を替えなきゃ、選挙が戦えない」が渦巻いていた。

「今の自民党は9割の議員が自分のサバイバルしか考えていません。地元で辻立ちすれば『自民党なんて消えてしまえ』『おまえもカネを隠しているんだろう』とヤジられる。誰もが、こんな状態で秋に衆院選なんてやったらヤバイと震え上がっていました」(政治評論家・野上忠興氏)

 一方で、選挙を先送りしたいばかりに「岸田再選支持」の動きも水面下で広がっていた。

 自民党への逆風が強すぎるため、「新総裁ならすぐ選挙だが、岸田さんの再選なら年内の解散はない。任期満了まで1年以上ある」という岸田周辺の口車に乗っかり、「どうせなら参院選を先にやってくれ」という身勝手な話まで出ていた。

「岸田首相だって、このタイミングでの退陣表明は自身の生き残り目的の行動です。ギリギリまで引っ張って再選出馬断念に追い込まれた、菅前首相のみっともない二の舞いだけは絶対に避けたかったはずです。いずれにしても、自浄作用が働かず、国民生活は二の次、自分たちの生き残りしか考えられない自民党は、堕ちるところまで堕ちました」(野上忠興氏=前出)

 議員たちのミエミエの浅ましさに自民党員も呆れかえっているんじゃないか。

次は【総裁選を裏で操る菅、麻生、森らの醜悪】

最新の政治・社会記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 政治のアクセスランキング

  1. 1

    さすがチンピラ政党…維新「国保逃れ」脱法スキームが大炎上! 入手した“指南書”に書かれていること

  2. 2

    国民民主党の支持率ダダ下がりが止まらない…ついに野党第4党に転落、共産党にも抜かれそうな気配

  3. 3

    農水省ゴリ押し「おこめ券」は完全失速…鈴木農相も「食料品全般に使える」とコメ高騰対策から逸脱の本末転倒

  4. 4

    維新の政権しがみつき戦略は破綻確実…定数削減を「改革のセンターピン」とイキった吉村代表ダサすぎる発言後退

  5. 5

    「おこめ券」迫られる軌道修正…自治体首長から強烈批判、鈴木農相の地元山形も「NO」突き付け

  1. 6

    片山さつき財務相の居直り開催を逆手に…高市首相「大臣規範」見直しで“パーティー解禁”の支離滅裂

  2. 7

    維新議員による“身内”への公金支出が次々発覚の異常…「身を切る改革」はどうした!

  3. 8

    これぞ維新クオリティー!「定数削減法案」絶望的で党は“錯乱状態”…チンピラ度も増し増し

  4. 9

    臨時国会きょう閉会…維新「改革のセンターピン」定数削減頓挫、連立の“絶対条件”総崩れで手柄ゼロ

  5. 10

    脆弱株価、利上げ報道で急落…これが高市経済無策への市場の反応だ

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    さすがチンピラ政党…維新「国保逃れ」脱法スキームが大炎上! 入手した“指南書”に書かれていること

  2. 2

    国民民主党の支持率ダダ下がりが止まらない…ついに野党第4党に転落、共産党にも抜かれそうな気配

  3. 3

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  4. 4

    来秋ドラ1候補の高校BIG3は「全員直メジャー」の可能性…日本プロ野球経由は“遠回り”の認識広がる

  5. 5

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  1. 6

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  2. 7

    小林薫&玉置浩二による唯一無二のハーモニー

  3. 8

    脆弱株価、利上げ報道で急落…これが高市経済無策への市場の反応だ

  4. 9

    「東京電力HD」はいまこそ仕掛けのタイミング 無配でも成長力が期待できる

  5. 10

    日本人選手で初めてサングラスとリストバンドを着用した、陰のファッションリーダー