自民を除く主要政党が「消費税減税」で完全一致なのに…早期実現を阻む安倍元首相の“大罪”

公開日: 更新日:

「景気条項」を削除したのは安倍政権

「かつてなら、もっと迅速に対応できたはず。消費税法には『景気条項』の付則があり、景気情勢次第で税率の見直しが可能だったからです。1994年に税率を5%に引き上げ方針を決めた際も『見直し条項』が付き、当時の村山首相は『引き下げが可能なのか等々も含めて十分検討する』と答弁したほど。ところが、その景気判断の条項を安倍元首相が削除してしまったのです」(立正大法制研究所特別研究員・浦野広明氏=税法)

 2014年に安倍元首相は景気条項に基づき、税率10%への増税延期を表明。しかし、2度目の延期は、リーマン・ショックや東日本大震災のような事態が起きた場合以外にないとして、法文から景気条項を削除したのだ。ところが、これだけ強気だったのに、16年には2度目の延期を決断。法文の増税時期を書き換えるため、法改正を迫られた。

「景気条項を残しておけば煩雑な手続きナシに減税は可能だったに違いありません。非常に悔やまれます」(浦野広明氏)

 これもまた数多くある安倍元首相の大罪のひとつだ。

  ◇  ◇  ◇

 国民民主党玉木雄一郎代表が、参院選公約に「食料品の消費税0%」を盛り込むことに決めた立憲民主党に敵意をむきだしにした。野党第1党の立憲も減税を打ち出したことで票を奪われまいと必死のようで…。●関連記事【もっと読む】『立憲の消費税0%案「原則1年・食品限定」にこれだけの弊害…国民玉木代表は独自試算で批判連発』で詳報している。

■関連キーワード

最新の政治・社会記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 政治のアクセスランキング

  1. 1

    高市早苗氏は総裁選“決選投票”にも残らない? 完全裏目の「鹿スピーチ」でまさかの大失速

  2. 2

    高市早苗氏の「外国人が鹿暴行」発言が大炎上! 排外主義煽るトンデモ主張に野党からも批判噴出

  3. 3

    林芳正氏が自民党総裁選“台風の目に”…「2強」失速でまさかの決戦投票進出あるか

  4. 4

    「進次郎隠し」を森山幹事長が画策か? 自民党総裁選いよいよ告示もテレビ討論会激減の不可解

  5. 5

    自民党のグダグダ総裁選に国民は完全ソッポ…アンチさえいないお寒い街頭演説に凋落ぶりあらわ

  1. 6

    林官房長官が総裁選“撃沈”危機…石破首相辞任「必定」発言を謝罪&撤回も後の祭りか

  2. 7

    国民民主・玉木代表が維新の“自民すり寄り”に猛ジェラシー! 総裁選後の「補完勢力」の座めぐり場外乱闘勃発

  3. 8

    自民元議員・和田政宗氏が参政党に露骨なスリ寄り…宮城県知事選で政策協力、過激政策に“偽情報拡散”の懸念

  4. 9

    小泉進次郎が総理・総裁なら「岸田外相」カムバック説…意外と本人はニンマリ

  5. 10

    学歴詐称市長の最終目的は450万円のカネ? 観光客もふるさと納税も失う伊東市民の哀れ

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人vs阪神またもドラフト場外戦勃発!1巡目指名8年で5回モロかぶり…中日とヤクルトも参戦か

  2. 2

    叱責、鉄拳、罰金…試練の日々で星野監督よりも「怖かった人」

  3. 3

    ドラフト外入団の憂き目に半ば不貞腐れていたボクを最初に見出してくれたのは山本浩二さんだった

  4. 4

    ドジャース佐々木朗希にリリーバーとしての“重大欠陥”…大谷とは真逆の「自己チューぶり」が焦点に

  5. 5

    長嶋一茂は“バカ息子落書き騒動”を自虐ネタに解禁も…江角マキコはいま何を? 第一線復帰は?

  1. 6

    前橋市長の「ラブホ通い詰め」だけじゃない…有名女優らもキャッチされた格安ラブホ不倫劇の舞台裏

  2. 7

    次期巨人監督へ桑田二軍監督が腕まくり! 松井秀喜氏への“つなぎ登板”は球団の思惑とも合致

  3. 8

    林芳正氏が自民党総裁選“台風の目に”…「2強」失速でまさかの決戦投票進出あるか

  4. 9

    国民民主・玉木代表が維新の“自民すり寄り”に猛ジェラシー! 総裁選後の「補完勢力」の座めぐり場外乱闘勃発

  5. 10

    杉田かおるの窮地を陰から支えていた舘ひろしの男気