維新クオリティー健在なり…吉村代表呼びかけの参院選野党一本化「予備選」見向きもされず
参院選公示が有力視される7月3日まで1カ月を切る中、党勢衰退が著しい日本維新の会が焦燥に駆られている。「1人区」をめぐり、吉村洋文代表が呼びかけた野党候補者を一本化する「予備選」がほぼついえたからだ。
吉村代表が予備選を言い出したのは1月末。選挙区ごとに支持政党を問うネット世論調査と、昨秋の衆院選の比例選結果を組み合わせ、ドント方式で各党に擁立選挙区を割り当てるというものだった。
しかし、総選挙で惨敗した政党トップの提案に他の野党が耳を貸すわけがない。立憲民主党の野田佳彦代表の注文を受け、候補者名を問う調査に変更するとしたものの、どこも乗ってこない。維新が擁立したのは岐阜、滋賀、奈良、和歌山。いずれも野党乱立選挙区だ。
「前原誠司共同代表が3月に野田代表と会い、滋賀、奈良、和歌山の優先実施を提案。好感触を得ているような口ぶりでしたが、今に至るまで何の動きもない」(維新関係者)
当初案では5月前半に一本化作業を終える計画だった。今月3日の党会合でシビレを切らした若手が詰問。執行部は歯切れが悪かった。