自民両院議員懇談会で「石破おろし」が不発だったこれだけの理由…目立った空席、“主導側”は発言せず欠席者も
醜悪な権力闘争はまだまだ続く
さらに、石破首相を退陣させても「次」の展望が見えていないことも、「石破おろし」が大きなうねりにならない理由だ。高市氏や小泉進次郎農相らの名前は挙がるが、「衆目の一致する『ポスト石破』候補はいない」(ベテラン議員)。衆参で少数与党だから、新総裁が確実に新首相に選ばれるわけでもない。
極めつきは、世論の動向だ。週末(26、27日)に実施された朝日新聞の世論調査で、石破首相について「辞める必要ない」(47%)が「辞めるべきだ」(41%)を上回った。驚くのは自民党支持層に限ると「辞める必要ない」が70%に達していることだ。毎日新聞の調査では、内閣支持率が5ポイント上昇(24↓29%)、「次の首相にふさわしい人」のトップが石破首相だった。
「世論調査がね。びっくりした」(別の中堅議員)という声も懇談会出席者から聞かれた。石破首相も世論を味方につけようとしているのか、懇談会後の報道陣の取材に「国民世論とわが党の考え方が一致することが大事だ」と力説。「続投方針に変わりはないか」との質問にも即座に「ございません」と強気だった。
とはいえ、28日の懇談会で「ガス抜き」が完了したわけではない。「反石破」の猛毒ガスはなお充満している。次は議決権のある両院議員総会が開かれる可能性が出てきた。醜悪な自民党の権力闘争はまだまだ続く。
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石破首相の後押しになるか。前代未聞の「#石破辞めるな」と題した激励集会が25日の夜、官邸前で繰り広げられた。●関連記事【もっと読む】『前代未聞「#石破辞めるな」デモに500人! 狭まる党内包囲網の裏で描かれる「続投」のシナリオ』で詳報している。