防衛費またも“使い残し”今年度は1172億円…それでも補正予算で前倒し増額の愚
防衛費の使い残しが、また1000億円超もあったことがわかった。
防衛省が18日に2024年度決算を公表。予算計上した9兆6521億円のうち、使い残した「不用額」が1172億円だった。理由について、木原官房長官は記者会見で「防衛装備品調達にあたっての競争入札により契約額が予定を下回った」「隊員の採用が想定人数を下回ったため人件費等の不用が発生した」と説明した。
防衛費については、前年の23年度も約1300億円の不用額が出ている。この時も当時の林官房長官が「契約額や人件費が予定を下回った」と同様の理由を並べ、「不用の割合が例年と比べ高いものではない」と語っている。
「確かにこうした使い残しは過去にもあった。ただ、岸田政権で防衛費をGDP比2%に増額すると決めたことで、不用額が目立つようになった」(防衛ジャーナリスト・半田滋氏)
防衛費をGDP比2%まで段階的に引き上げることが決まったのが23年度だ。以降、毎年1兆円規模の増額が続いている。防衛財源に充てる所得増税の開始時期さえ中ぶらりんなのに、「残るなら、そこまで増額する必要があるのか」という疑問が湧く。そのうえ、高市首相はGDP比2%の達成を27年度予定から今年度中に2年前倒しした。それを今の臨時国会で補正予算案として計上する方針だ。


















