ネイマール召集明言も…ブラジルは五輪で「メダル無理」の声
ブラジルの五輪サッカー代表を率いるガロ監督は30日、「彼の存在なしにブラジルサッカーのことは考えられない」と語り、リオ五輪代表にフル代表のネイマール(22)をオーバーエージ枠で招集する考えを示した。五輪のサッカー競技は23歳以下の選手しか出場できないが、年齢制限を受けない選手を3人だけ使える。
ブラジルは、自国開催だった今年のW杯準決勝でドイツに1-7と惨敗。64年前の「マラカナンの悲劇」が繰り返され、怒り狂った国民は20台以上のバスに放火したり、国のあちこちで暴動が起きた。
サッカー王国・ブラジルは、なぜか五輪では金メダルがない。ホームで再びぶざまな姿をさらすわけにはいかず、エースの招集は当然だろう。
ところが、海外のサッカー事情に詳しいノンフィクション作家の田崎健太氏は、「う……ん、それでも難しいと思いますよ」と、こう続ける。
「W杯最多5度の優勝を誇るブラジルは、やはり一番重視しているのがW杯です。そもそも五輪はアマチュアの大会だったということもあって、国民自体が五輪のサッカーに大きな関心を持っていない。それでも自国開催となれば話は別です。だからネイマールを呼んで金メダルを取りにいくのでしょう。でも、今のブラジルの若い選手は、早い段階から欧州クラブに行く。素質はあってもブラジル人特有の創造性あふれるプレーができないし、伝統的な団結心にも欠ける。これはフル代表にも言えることですが、ネイマールひとりが飛び抜けていても金メダルは厳しいでしょう」
ブラジルはW杯も五輪も、ネイマール頼みが最大の問題だ。