「首都圏から行く個性派ミュージアム案内」町田忍監修
「首都圏から行く個性派ミュージアム案内」町田忍監修
世の中には専門分野に特化した博物館や資料館が数多くあり、中には、その分野の収蔵品や展示品の数と珍しさで世界唯一という施設もある。
本書は、関東エリアにあるそうした個性派ミュージアムを紹介するビジュアルガイド。
そのひとつ「送水口博物館」(東京都港区)は、火事の際に消火用水を地上から離れた階に送水するための「送水口」を集めた博物館。
送水口の変遷を近代消防の歴史として記録保存してほしいというコアなファンの要望に応え、消火栓メーカーが、古い建物が解体される際に歴史的に価値が高い送水口を救出して展示している。
旧ブリヂストン本社ビルにかつて備えられていた美しい送水口をはじめ、さまざまな形や素材の送水口が一堂にそろう。
埼玉県秩父市の「秩父珍石館」は、初代館長が集めた化石や水石、人面石のコレクションを展示。人面石だけで700点以上所蔵され、そのひとつひとつに顔が似ている芸能人やアニメのキャラクターの名前が添えられ、笑いを誘う。隠れ観光スポットとして外国人の来館者も多いそうだ。
ほかにも、滅んだ、もしくは滅びつつあるメディア機器を展示する「絶滅メディア博物館」(東京都千代田区)や、本場フランスにもない世界初のシャンソンをテーマにした「日本シャンソン館」(群馬県渋川市)、世界の乳業・酪農に関する資料を展示する「牛乳博物館」(茨城県古河市)など、関東1都6県の82館を網羅。「パチンコ誕生博物館」(神奈川県横須賀市)では、現存最古のパチンコ台やその基となった現存最古のウォールマシンなどで、館長自らが調査したパチンコの歴史を学べる。
いつもとはちょっと変わったお出かけ先の候補にいかがだろう。きっと新しい発見をもたらしてくれるに違いない。
(メイツユニバーサルコンテンツ 1892円)