障害のある人が就労に困った時、「誰に」「どこに」相談できるのか?
みなさんは「就労移行支援事業所」の存在をご存じでしょうか。
脳外科や脳卒中の治療学会などで、脳疾患後の精神障害や高次脳機能障害の復職支援についてお話しするとき、急性期病院の医師の多くは就労移行支援事業所の役割をあまり知らず、連携経験はありません。ということは、脳疾患後に精神障害や高次脳機能障害が生じて復職に問題がある患者さんやご家族に対し、復職支援として就労移行支援事業所を紹介することができないことになります。
そこで今回は、就労移行支援事業所の機能を紹介します。障害のある患者さんが「働きたい」と思ったときに利用する法律は「障害者総合支援法」です。就労支援系のサービスには、就労移行支援、就労継続支援A型、同B型などがあります。
「就労移行支援」とは、障害のある患者さんが企業に就職し、働くまでの支援を行う「障害者の職業訓練所」のサービスです。患者さんが復職や就労を希望するときに、訓練や支援を通じて働くための知識や能力を高め、職場実習などを体験し、その方に合った職場への就労を目指します。対象は18~64歳の方々で、原則、最大24カ月間利用できます。