<アジア杯現地リポート>アギーレ日本 “本番”で何が変わった
守備においては、徹底したリスクマネジメントが挙げられるだろう。
たとえばイラク戦の6分、58分に相手のドリブル突破に左SB長友佑都(28)の対応が遅れ、抜かれそうになると長友は反則覚悟で相手をストップ。長友に限らず、日本の守備陣は、試合を通してセーフティーファーストのプレーを選択した。
ザッケローニ時代の日本は、マイボールを大切にする意識が強く、自陣で相手からプレスを受けようが、あくまでパスをつないでいくことにトライした。結果、ロストしてショートカウンターや波状攻撃にさらされ、失点を食らってきた。
攻撃パターンは、明らかな変化が見て取れる。
日本の7ゴール(CKも含む)は、すべて左サイドのFW乾貴士(26)と香川、長友のコンビプレーによる崩しから生まれている。この3選手のお膳立てに加え、ヨルダン戦の2ゴールが顕著だったが、ザック・ジャパンでは見られなかったシンプルなタテへの素早いフィードもアギーレ・ジャパンの特徴と言える。
もちろん課題面もある。3戦先発出場のFW乾やDF酒井は、イージーなミスを犯してボールを失うことがある。交代出場のMF清武弘嗣(25)とFW武藤嘉紀(22)は、ゲーム勘に戸惑いがあるのか、スタメン組と意思の疎通を欠いたプレーも散見される。