長嶋がすがった幻の逆転ホームラン

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「直接言われているんですか?」

「まだ何も聞いてない」

「どういう方向で……」

「きょう午後、球団の役員会がある。俺のクビ(解任)がひっくり返る可能性もある。おまえ、ちょっと慎重にやれよ。ただ、クビになった時のことも考えておけ。予定稿、書いておけよ」

 菅谷氏によれば、長嶋の声はそれほど切羽詰まったものではなかったという。

「3位になれば続投」と聞かされていたわけだし、まさか、「長嶋茂雄」を切れるものか、という自負もあったからだろう。

 受話器を置くと菅谷氏は次に、巨人の長谷川実雄代表に電話を入れた。

「巨人軍は大英断をしました」

 その言葉に「長嶋解任」が事実と知った。

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