長嶋がすがった幻の逆転ホームラン

公開日: 更新日:

 80年10月21日午前7時、長嶋監督の自宅に電話をかけた記者がいた。当時、共同通信運動部記者の菅谷斉氏(現スポーツライター)だ。

 この年、巨人は早々と優勝争いから脱落。3年連続のV逸となり、激しい3位争いのシーズン後半は長嶋監督の去就が騒がしくなった。

 菅谷氏が長嶋監督に電話した前日、巨人は広島で最終戦に勝ち、勝率5割とAクラスを確保。その夜、長嶋は帰京した。当時のことを菅谷氏はこう語る。

「NHKテレビの朝7時の時報と同時に電話をかけました。すぐに長嶋監督が出たので、あっ、一睡もしていないんだな、と思いましたね」

 その電話では次のようなやりとりがあった。

「監督、解任の情報があります。事実ですか?」

「ああ、その噂なら俺も聞いてる」

「直接言われているんですか?」

「まだ何も聞いてない」

「どういう方向で……」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    柳田悠岐の戦線復帰に球団内外で「微妙な温度差」…ソフトBは決して歓迎ムードだけじゃない

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    ローラの「田植え」素足だけでないもう1つのトバッチリ…“パソナ案件”ジローラモと同列扱いに

  3. 8

    ヤクルト高津監督「途中休養Xデー」が話題だが…球団関係者から聞こえる「意外な展望」

  4. 9

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 10

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?