長嶋がすがった幻の逆転ホームラン

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 すでにその時点で巨人、読売サイドは「長嶋解任」に向けて動きだしていたのだろう。

「今から考えれば、3位なら続投というのは『長嶋解任』を表面化させず、混乱を生じさせないための情報だったと思う」(菅谷氏)

 長嶋が会見を行う朝、いくつかのスポーツ紙が「長嶋解任」「辞表」と報じた。当時、東京中日スポーツの巨人担当記者だった高田実彦氏(現スポーツライター)は、その記事を見ても続投の目はあると思っていた。

「新聞に解任と出た前日、巨人は広島で行われた月曜日のデーゲームでした。客は1万にも満たず、曇り空のどんよりした中で巨人が逆転勝ち。シーズンを61勝60敗9分けで終えた。(勝率)5割以上で3位を決めた直後の長嶋監督は、『来年は勝負の年になる』と力強く語っていましたから」

 高田氏は翌日の夕方、東京・大手町の読売新聞本社で行われた長嶋の会見に行った。

「7階の大会議室には報道陣が300人以上はいましたね。私は一番後ろから長嶋監督の表情をじっくり見ていました。もう、吹っ切れたという感じでしたね。実は担当記者の中にも、長嶋采配に疑問を持っている者が少なくなかった。でも、『男のけじめをつけ、責任を取りたい』という潔い言葉を聞き、一転して巨人系列紙以外は、みんな長嶋という人間を見直して解任を批判したものです」

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