過去には“黒い霧事件”も 国会検討「野球くじ」の現実味と課題

公開日: 更新日:

 問題山積だ。国会議員でつくられるスポーツ議員連盟が14日に行われた会合で、プロ野球を含めた「スポーツくじ」の拡大方針を明言。実現に向けて、日本野球機構(NPB)やプロ野球選手会などと協議することを決めた。

「野球くじ」の実現に動きだした主な目的は、2000億円を超えるともいわれる新国立競技場の建設費の穴埋めだ。現状のままなら大幅な赤字が予想されるだけに、日本で最も人気のあるプロ野球で財源を確保したいのだろう。

 とはいえ、野球が賭けの対象となれば、思い出されるのが1969年から71年にかけて発覚した「黒い霧事件」だ。暴力団関係者から依頼された選手が八百長を行い、6人が永久追放処分となった球界にとって忌まわしい一件である。

 現時点では、八百長防止策としてコンピューターによる無作為の勝敗予想だけに限定することも検討されているそうだが、それではくじの魅力は半減する。サッカーの「toto」のように好きなチームの勝敗を予想しなければ、ファンは興味を示さないはずだ。チームの勝敗が賭けの対象になれば、日本球界の「体質」も問題視される。大リーグ事情に詳しいアメリカ野球愛好会副代表の鈴村裕輔氏は言う。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    やはり進次郎氏は「防衛相」不適格…レーダー照射めぐる中国との反論合戦に「プロ意識欠如」と識者バッサリ

  2. 2

    長嶋茂雄引退の丸1年後、「日本一有名な10文字」が湘南で誕生した

  3. 3

    契約最終年の阿部巨人に大重圧…至上命令のV奪回は「ミスターのために」、松井秀喜監督誕生が既成事実化

  4. 4

    これぞ維新クオリティー!「定数削減法案」絶望的で党は“錯乱状態”…チンピラ度も増し増し

  5. 5

    ドジャースが村上宗隆獲得へ前のめりか? 大谷翔平が「日本人選手が増えるかも」と意味深発言

  1. 6

    「日中戦争」5割弱が賛成 共同通信世論調査に心底、仰天…タガが外れた国の命運

  2. 7

    レーダー照射問題で中国メディアが公開した音声データ「事前に海自に訓練通知」に広がる波紋

  3. 8

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  4. 9

    松岡昌宏も日テレに"反撃"…すでに元TOKIO不在の『ザ!鉄腕!DASH!!』がそれでも番組を打ち切れなかった事情

  5. 10

    巨人が現役ドラフトで獲得「剛腕左腕」松浦慶斗の強みと弱み…他球団編成担当は「魔改造次第」