「男気ではなくクールな決断」 高知入団の藤川を権藤博氏評価

公開日: 更新日:

 全盛期は、背筋がピンと伸びた状態から、軸がブレずにスーッと静かに体重移動し、最後の最後で腕がビュッと出てくる感じだった。力感がないから迫力では劣るが、打者からすれば怖いのはこっちの方だ。タイミングが取りにくく、打ちにいこうと思ったら、もうミートポイントをボールが通り過ぎている感覚だったと思う。だから、ストレートだと分かっていても、空振りしてしまう。このストレートがあるから、決め球のフォークもより威力を増した。

 本人も現時点では、古巣の阪神、あるいはNPBの他球団に入ったところで、かつての投球はできないと感じたのだと思う。あれだけの投手だ、自分の現状は誰よりも分かる。メジャー1年目の13年6月にトミー・ジョン手術を受けた、右ヒジの不安もあるはずだ。

 今はまだ、高い報酬に見合う働きができない。全盛期に近い力を取り戻すために時間的猶予がいる。そのために、独立リーグを選んだのではないか。NPBに復帰するためのステップである。

 今回の藤川は、男気ではなく、クールな決断をした。

(権藤博/野球評論家)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「NHKの顔」だった元アナ川端義明さんは退職後、いくつもの不幸を乗り越えていた

  2. 2

    永野芽郁の「文春」不倫報道に噛みついたGACKTさんは、週刊誌の何たるかがわかっていない

  3. 3

    前田健太「ドジャース入り」で大谷との共闘に現実味 日本復帰より「節目の10年」優先か

  4. 4

    元NHK岩田明子は何をやってもウケない…コメントは緩く、ギャグはスベる、クイズは誤答

  5. 5

    ウクライナ出身力士 安青錦がすべてを語った…単身来日して3年、新入幕で敢闘賞

  1. 6

    小田和正「77歳の現役力」の凄み…現役最年長アーティストが守り続ける“プロ意識”

  2. 7

    奥さんが決断してくれた…元大関の小錦八十吉さん腎臓移植を振り返る

  3. 8

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した

  4. 9

    のんを襲った"後輩女優の二股不倫報道"の悲劇…カルピスCMめぐる永野芽郁との因縁

  5. 10

    Mrs.GREEN APPLEとディズニーのコラボに両ファン懸念…売れすぎた国民的バンドゆえの"食傷感"