著者のコラム一覧
松崎菊也戯作者

53年3月9日、大分県別府市生まれ。日大芸術学部放送学科卒業後は宇野重吉らが率いる「劇団民藝」に所属。その後はコントグループ「キモサベ社中」「キャラバン」を経て、88年にコントグループ「ニュースペーパー」を結成。リーダー兼脚本家として活躍した。98、99年にはTBSラジオ「松崎菊也のいかがなものか!」でパーソナリティーを務めた。現在も風刺エッセイや一人芝居を中心に活躍中。

アイツは日本人力士なんだろ、ほら、テリの富士

公開日: 更新日:

 ずいぶん前、なんとなく世の中の動きは知っているが記憶力が怪しくなっているジイサマ同士が病院の待合室で大声で会話していた。シドニーオリンピックの開会式で、最終聖火ランナーのことがニュースに大きく出た日だった。

「聖火台に火ぃつけたやつぁ、なんでもアボリジニだっちゅう話だ」

「なに?」

「アボリジニ」

「なんだそりゃ?」

「昔からオーストリアラに住んでるやつらしい」

「オーストリアラに住んでるんならオーストリアラ人だろ」

「オーストリアラ人じゃなくて、アボリジニだちゅうことだった」

「じゃアボリ人だろ」

「うんにゃ、テレビでアボリジニと言った」

「ジニということがあるか。人死に、とか、のたれ死に、とかそういうときに使うもんだ。アボリ人の間違いだぁ!」

 ジイサマの会話は勉強になる。

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