元近鉄・鈴木氏の体験も 新人研修「賭博問題」講義の全容
「暴力団、反社会的勢力との関わり、賭博、八百長には絶対に手をつけないところからしっかり考えてください。(この研修会で)居眠りなど絶対に許しません!」
12日に都内で行われたNPBの新人研修会の冒頭、熊崎コミッショナーが強い口調でこう言った。
例年とは色合いが違った今年の研修会。昨年、巨人の福田、笠原、松本竜の3人が野球賭博で無期失格となったことを受け、暴力団や、賭博に関わる講義に多くの時間が割かれた。
暴力団については毎年、プロ野球暴力団等排除対策協議会の顧問弁護士が実態について説明をするが、今回は「やつらはロクでもないやから。泥水のように入り込む。泥水なんです」といつになく強い言葉で強調。新たな試みとして、八百長、賭博を禁じる「有害行為について」と題された30分間の講義も加えられた。
講義では野球協約の説明に加え、「黒い霧事件」の概要、福田らの事件の中身を説明すると、3人のうちの1人が無期失格後に、「選手は小さい頃から野球しかやってきていない。野球界を追放になるということは自分のこれまでの人生を無にすること」と語ったことを紹介。八百長に関しては、伊藤法規部長が元近鉄の鈴木啓示氏の生々しい体験談を伝えた。先輩選手が経営するスナックで知人から八百長に誘われ、これを断ると、自宅に押しかけてきた先輩選手に「野球できへん体にしてもうたるぞ!」と、恫喝されたくだりを関西弁を交えながら再現する場面もあった。