ヤクルト由規5年ぶり勝利 クビにしなかった球団“天晴れ”

公開日: 更新日:

「5年も投げていない自分を応援して下さり、感謝の気持ちでいっぱいです」

 ヤクルト由規(26)が24日の中日戦で、実に5年ぶりとなる勝利を挙げ、お立ち台で喜びをかみしめた。

 右肩痛の影響で5年間、一軍で一度も投げられなかった。昨オフには育成契約になったが、常に支えてくれる家族と仲間がいた。

 リハビリ期間中、故郷の仙台でそっと見守り続けた父・均さんと母・美也さんはこの日、声をからしながら応援し、試合終了直後に大粒の涙をこぼした。兄・史規さんは仙台の自宅でテレビ中継を見た。5年前の9月3日、登板した由規と試合後に食事をした。由規はすでに右肩に違和感を感じていて、「登録抹消になるかもしれない」と不安を口にした。それが復帰前の最後の登板になった。食事をしたり、電話やメールで叱咤激励をし続けた。この日の試合後、均さんが経営するタクシー会社に祝電が殺到した。史規さんは「ようやく、『おめでとう』が言えます。これから勝ち続けることが大事」としみじみと語った。

 チームメートだった弟の貴規は今、BCリーグ福島でプレーしている。14年にヤクルトを戦力外になって野球を辞めたいと考えた時に、由規に引き留められてトライアウトを受けた。一軍復帰を果たした兄の姿に感化され、一方で由規も、NPB復帰に向けて奮闘する弟に刺激を受けている。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 野球のアクセスランキング

  1. 1

    佐々木朗希「中5日登板志願」のウラにマイナー降格への怯え…ごまかし投球はまだまだ続く

  2. 2

    巨人阿部監督がオンカジ送検の増田大輝を「禊降格」しないワケ…《中心でなくても、いないと困る選手》

  3. 3

    オンカジ騒動 巨人オコエ瑠偉が「バクダン」投下!《楽天の先輩》実名公表に現実味

  4. 4

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意

  5. 5

    ドジャース佐々木朗希の立場を左右する? サイ・ヤング賞左腕が復帰へいよいよ秒読み

  1. 6

    ドジャース佐々木朗希「負傷者リスト入り」待ったなし…中5日登板やはり大失敗、投手コーチとの関係も微妙

  2. 7

    なぜこのタイミング?巨人オコエ瑠偉、増田大輝だけが「実名報道」されたワケ…違法オンカジ騒動で書類送検

  3. 8

    オリ&ソフトBが前田健太獲得へ虎視眈々!日米交渉ついに解禁も古巣広島に強力対抗馬出現で争奪戦に

  4. 9

    プロ野球の違法オンラインカジノ「汚染選手」はもっと隠れている!書類送検のオコエ瑠偉、増田大輝はまだマシ

  5. 10

    前田健太「ドジャース入り」で大谷との共闘に現実味 日本復帰より「節目の10年」優先か

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    朝ドラ「あんぱん」教官役の瀧内公美には脱ぎまくった過去…今クールドラマ出演者たちのプチ情報

  2. 2

    中井貴一の“困り芸”は匠の技だが…「続・続・最後から二番目の恋」ファンが唱える《微妙な違和感》の正体

  3. 3

    大阪万博会場の孤島「夢洲」で水のトラブル続出の必然…トイレ故障も虫大量発生も原因は同じ

  4. 4

    渋谷区と世田谷区がマイナ保険証と資格確認書の「2枚持ち」認める…自治体の謀反がいよいよ始まった

  5. 5

    Kōki,主演「女神降臨」大爆死で木村拓哉がついに"登場"も リベンジ作品候補は「教場」か「マスカレード」シリーズか

  1. 6

    森友文書の一部欠落で財務省が回答…公表された概要リストに「安倍昭恵」の名前

  2. 7

    巨人阿部監督がオンカジ送検の増田大輝を「禊降格」しないワケ…《中心でなくても、いないと困る選手》

  3. 8

    早実初等部を凌駕する慶応幼稚舎の人脈網…パワーカップルを惹きつけるもう一つの理由

  4. 9

    オンカジ騒動 巨人オコエ瑠偉が「バクダン」投下!《楽天の先輩》実名公表に現実味

  5. 10

    迷走続く「マレリ・ホールディングス」再建…金融界の最大の懸念は日産との共倒れ