個性重視で46年 6年ぶりVの東洋大・高橋昭雄監督の野球観
11年春以来、6年ぶりに東都を制した東洋大の高橋昭雄監督(68)は今年で就任46年目。プロ球界に数多くの教え子を輩出した指導者は、「大学野球は必ずしも勝ち負けだけが重要ではない」と話す。
ものすごい剛速球を投げるとか、打球が飛び抜けて速いとか、素晴らしく足が速いとか、野球にさほど詳しくない人たちが見ても魅力ある、個性あふれる選手を育てる。勝ち負けはもちろん大切でも、学生野球の原点はそこだと考える。
目指す野球もかなり個性的だ。走者を許しても三塁までならOK、点を与えなければ構わないというスタンス。それでも点を取られたら、取り返せばいいという。
判で押したような送りバントは大嫌いで、隠し球やサイン盗みなどもってのほか。サインを盗まれないような策は講じても、敵をだますなら、だまされた方がよっぽど潔いと思うタイプだ。
07年春から5連覇したものの、13年から3年間、2部に低迷。「2部での経験は野球部の財産になった」と話す。勝利は目指すが、そのために手段を問わない勝利至上主義者ではない。あくまで個性重視の指導方針が、長年にわたって、プロ、アマ問わず多くの選手を育んだに違いない。