高速フォークは諸刃の剣 楽天則本は暴投数も12球団首位

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 記録更新はかなわなかった。15日、神宮球場のネット裏には7球団を超すメジャーリーグスカウトが陣取った。目当ては楽天則本昂大(26)。連続2ケタ奪三振の記録を9試合に伸ばすか注目されたが、この日は7回7安打6失点KO。8奪三振で記録は8試合でストップしたばかりか、暴投という傷までクローズアップされた。

 昨夜は3暴投。そのうち実に2つが失点につながった。七回には原樹の犠打を三塁に悪送球する自らのミスで失点した(記録は犠打野選と失策)。

 試合後の則本は「記録はいつか途切れる。それよりも(チームが)勝てなかったことが悔しい」と言葉少なだった。

 ここまで奪三振「110」はもちろんリーグダントツ。だが、もうひとつ群を抜いて多いのが暴投数。両リーグ通じてワーストの「8」だ。

 暴投の大半はフォークボール。三振を取る貴重な武器になる一方、走者がいるケースでワンバウンドになれば失点につながる両刃の剣なのだ。

 ネット裏のあるメジャースカウトは「則本は140キロ台の速いフォークを投げるので、捕手に技術がないと暴投になるケースがある。けれども三振を取るために有効な武器なので、メジャーに行っても使うべき」と評価するが、守る野手は気が気ではない。一塁を守る銀次(29)はこう言う。

「あいつが投げるときは安心? いや、全然できないよ。そこそこ打たれるし、三振が多くても守っている方としては不安です」

 則本から2安打した坂口は試合後、「三振の数で試合の勝敗は決まらない」と言った。

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