おぞましい学校スポーツ現場の改善には国の介入が必要

公開日: 更新日:

 今回の会見で、日大アメフト部における指導者たちの異常な言動が明らかになったが、学校で近年激増しているのが指導者のセクハラやわいせつ行為だ。文科省の調べでは、平成28年度にわいせつ行為で懲戒処分を受けた公立小中高の教育職員は226人。そのうち免職は129人だった。

 運動部でも指導者が女子生徒や学生に対し、「体をさわる」「盗撮」「ひわいなメールを送る」などは珍しいことではなく、昨年はソフトテニス部の生徒に「先生とエッチできるぐらいの覚悟で試合に臨め」などと発言し、全裸になるよう強要して懲戒免職になった公立高校の男性教諭がいた。早大スポーツCSR研究会の松野弘会長は「教育の現場に国が介入するのは賛成できないが……」と前置きし、こう続ける。

「日大アメフト部の部員がそうだったように、指導者に『試合に出して欲しければ言う事を聞け』と言われたり、指導と称してわいせつな行為を行う実態は、生徒からの告発がなければなかなか表に出てこない。隠蔽体質が蔓延する教育現場では、学校は教職員の側について事件をモミ消すケースも多い。全てを学校任せにしていては、例えば運動部の暴力指導やセクハラ行為も、この先減ることはないでしょう。現状を改善し、健全なスポーツ活動を推進できなければ、この国は2020年に東京五輪を開催する資格はない。文科省は学校運動部の実態を把握するため、学生の生の声を拾うアンケートなどの調査を行うべきです。と同時に、こうした不祥事を解決すべく、大学のガバナンス体制が正当に機能しているかどうかも調査すべきでしょう。被害者が心身に大きな傷を残してからニュースになっては遅いのです」

 東京五輪でメダル量産などと言ってる場合ではない。

【連載】日大アメフト部 悪質タックル事件の闇

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    農水省「おこめ券」説明会のトンデモ全容 所管外の問い合わせに官僚疲弊、鈴木農相は逃げの一手

  2. 2

    早瀬ノエルに鎮西寿々歌が相次ぎダウン…FRUITS ZIPPERも迎えてしまった超多忙アイドルの“通過儀礼”

  3. 3

    2025年ドラマベスト3 「人生の時間」の使い方を問いかけるこの3作

  4. 4

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢

  5. 5

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  1. 6

    大炎上中の維新「国保逃れ」を猪瀬直樹議員まさかの“絶賛” 政界関係者が激怒!

  2. 7

    池松壮亮&河合優実「業界一多忙カップル」ついにゴールインへ…交際発覚から2年半で“唯一の不安”も払拭か

  3. 8

    維新の「終わりの始まり」…自民批判できず党勢拡大も困難で薄れる存在意義 吉村&藤田の二頭政治いつまで?

  4. 9

    日本相撲協会・八角理事長に聞く 貴景勝はなぜ横綱になれない? 貴乃花の元弟子だから?

  5. 10

    SKY-HI「未成年アイドルを深夜に呼び出し」報道の波紋 “芸能界を健全に”の崇高理念が完全ブーメラン