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権藤博野球評論家

1938年12月2日、佐賀県鳥栖市生まれ。鳥栖高からブリヂストンタイヤを経て61年に中日入り。1年目に35勝19敗、防御率1.70という驚異的な成績を挙げ、最多勝や沢村賞などタイトルを総ナメに。連投に連投を重ねる姿に「権藤、権藤、雨、権藤」の流行語が生まれた。68年に現役引退後は各球団の投手コーチを歴任。横浜で初の監督に就任した98年にはいきなりペナントを制し、38年ぶりの日本一に導いた。

制球難で片づけてはいけない 松坂の「四球を出す勇気」

公開日: 更新日:

 らしい投球だった。30日のオリックスとの交流戦で6回1安打無失点の好投を見せた中日松坂大輔(37)。

 9三振を奪う一方で、初回に26球を費やすなど球数は114球に達した。ボールが先行する場面が多く、与えた四球は4。そこに焦点を当てれば、この日の好投にも「不安定ながら」とか「制球に苦しみながらも」という枕ことばが必要になるのかもしれない。今季の初登板以来、同じような内容が続いているのは確かだ。

 だが、これこそ怪物松坂の長所のひとつだと私は思っている。普通の投手は、できるだけ球数を減らそうと考える。四球ももちろんそうで、「歩かせるくらいだったら打たれろ!」と叱責するコーチも珍しくない。

 松坂はそういうことには無頓着だ。象徴的だったのが、今季初勝利を挙げた4月30日のDeNA戦である。初回に3点の援護をもらったこの試合で、松坂は四回まで4四死球を与えながらも無失点ピッチング。そして五回に安打と2四球で2死満塁のピンチを招いた。打席には昨季の首位打者で5番の宮崎。その宮崎に押し出し四球を与えて1点を失うのだが、試合後の本人のコメントがふるっていた。

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