著者のコラム一覧
田崎健太ノンフィクション作家

1968年、京都市生まれ。ノンフィクション作家。早大卒業後、小学館入社。「週刊ポスト」編集部などを経て、99年末に退社。著書に「W杯に群がる男たち―巨大サッカービジネスの闇 」(新潮文庫)、「偶然完全 勝新太郎伝」(講談社+α文庫)、「真説・長州力 1951-2018」(集英社文庫)、「電通とFIFA」(光文社新書)、「真説・佐山サトル」(集英社インターナショナル)、「ドラガイ」(カンゼン)、「全身芸人」(太田出版)など多数。

敗れた日本戦でも露呈 コロンビアは不思議な“一流国”

公開日: 更新日:

 南米大陸のサッカーは「進化論」の世界である。生き残り――つまり南米予選を勝ち抜くために、ブラジルとアルゼンチン以外の国は守備を発達させてきた。2010年南アフリカ大会の決勝トーナメントで日本が敗れたパラグアイは、その典型的な国だ。頑丈で、しつこい守備を磨き、ブラジルとアルゼンチンに対抗しようとした。

 もうひとつの例がウルグアイだ。ウルグアイは欧州のトップクラブに「センターバック」を供給してきた。守備の中央に足元の技術があり、体の強い選手を配するのが、ウルグアイの伝統である。そして、そうした屈強で狡猾なセンターバックと向き合うことで、スアレスやカバニという強いフォワードが生まれた。中盤は省略気味であっても、彼らは素晴らしい守備のエジプトを1―0でねじ伏せたように勝負強い。

 その意味でコロンビアは不思議な国である。

■「超一流」との差

 コロンビアも守備は弱くない。しかし、それよりも目立つのは、時折現れる攻撃的な才能を持った選手である。90年大会ではバルデラマたちが世界を驚かせた。またイギータのような超攻撃的なゴールキーパーも、サッカーに対して保守的なブラジルでは認められないだろう。

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