81歳で死去 ダイヤモンドバックス支援したマケインの矜持

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 一方、マケインもダイヤモンドバックスを支援していた。

 08年の大統領選挙で共和党の大統領候補となった際、記者会見でダイヤモンドバックスがプレーオフへの進出を逃した後にどの球団を応援するかと質問されると、かつてダイヤモンドバックスに所属していたカート・シリングのいるレッドソックスを応援すると答えている。

 陣営の幹部たちは「ボストンは民主党の牙城だからマケインへの投票は伸びない。むしろウィスコンシンやフロリダといった激戦区で支持を伸ばすためにブルワーズやデビルレイズ(現在のレイズ)を応援していると言うべきだった」と悔やんだものの、マケイン本人は全く意に介さなかった。

 いわばアリゾナ州を象徴する政治家であったマケインだけに、その死に際してダイヤモンドバックスやNFLのカージナルスなど、アリゾナ州に本拠を置くスポーツチームが相次いで哀悼の意を表明した。また、初期のダイヤモンドバックスを代表する選手で背番号20が永久欠番となっているルイス・ゴンザレスは現役時代からマケインの熱心な支持者で知られており、やはりマケインの死を悼む声明を発表した。

 主義、主張の違いを乗り越えて米国の発展を目指したマケインにふさわしい、アリゾナ州のスポーツ界の対応だった。

(アメリカ野球愛好会代表、法大講師・鈴村裕輔)

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