マイナーリーグ球団が米中間選挙の動向に戦々恐々のワケ

公開日: 更新日:

 特に見逃せないのが球団職員、とりわけマイナーリーグで働く者たちへの影響だ。

 マイナーリーグでは選手の給与を提携先の大リーグ球団が支払っている。だが、経営規模の大きくない多くのマイナーリーグ球団にとって、選手の給与の負担が免除されるだけでは必ずしも十分ではなく、必要最低限の人員で運営される球団も少なくない。

 その際に重要なのが移民の労働者で、米国人であれば敬遠するような低賃金でもクラブハウスの清掃、グラウンドの整備などに従事している。

 しかし、中間選挙での勝利を得るために保守層が受け入れやすい「移民受け入れの抑制」といった政策をトランプや共和党が唱えるだけでなく、実際に不法移民に加えて合法的な移民まで受け入れ制限を強化すれば、マイナーリーグの現場から安価な労働力が消えることになりかねない。

 もちろん、インターンやアルバイト、さらに高齢者の活用、あるいは給与の増額などで対応することは可能だが、現場の混乱は避けられないだけに、マイナーリーグ球団の経営者たちは、トランプと共和党の主張する政策と中間選挙の動向から目が離せないのである。

(アメリカ野球愛好会代表、法大講師・鈴村裕輔)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 野球のアクセスランキング

  1. 1

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  2. 2

    巨人が楽天・辰己涼介の国内FA争奪戦に参戦へ…年齢、実績的にもお買い得

  3. 3

    マエケンの「DeNA入り」が急浮上! 古巣広島まさかのNO、巨人はマー君が足かせで動けず

  4. 4

    DeNA次期監督候補に谷繁元信氏が浮上…南場智子オーナーのイチオシ、本人も願ったりかなったり

  5. 5

    ドジャースの“朗希タンパリング疑惑”で大迷惑!米29球団&日本プロ球団こぞって怒り心頭の納得理由

  1. 6

    ドジャース佐々木朗希の抑え起用に太鼓判も…上原浩治氏と橋本清氏が口を揃える「不安要素」

  2. 7

    メジャー今オフにも「二刀流ルール」撤廃の可能性…ドジャース&大谷翔平に他球団のやっかみ集中

  3. 8

    今オフ日本史上最多5人がメジャー挑戦!阪神才木は“藤川監督が後押し”、西武Wエースにヤクルト村上、巨人岡本まで

  4. 9

    俺と巨人ガルベスの大乱闘の一部始終…落合博満さんのヘッドロックには気を失いかけた

  5. 10

    ドジャース大谷翔平は“自信のデカさ”も世界一! 二刀流は「自分にしかできない役割」と会見で断言

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    アッと驚く自公「連立解消」…突っぱねた高市自民も離脱する斉藤公明も勝算なしの結末

  2. 2

    クマが各地で大暴れ、旅ロケ番組がてんてこ舞い…「ポツンと一軒家」も現場はピリピリ

  3. 3

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  4. 4

    安倍元首相銃撃裁判 審理前から山上徹也被告の判決日が決まっている理由

  5. 5

    ドジャース大谷翔平が直面する米国人の「差別的敵愾心」…米野球専門誌はMVPに選ばず

  1. 6

    マツコ・デラックスがSMAP木村拓哉と顔を合わせた千葉県立犢橋高校とは? かつて牧場だった場所に…

  2. 7

    自民党は戦々恐々…公明党「連立離脱」なら次の衆院選で93人が落選危機

  3. 8

    今オフ日本史上最多5人がメジャー挑戦!阪神才木は“藤川監督が後押し”、西武Wエースにヤクルト村上、巨人岡本まで

  4. 9

    万博協会も大阪府も元請けも「詐欺師」…パビリオン工事費未払い被害者が実名告発

  5. 10

    ドジャース佐々木朗希の抑え起用に太鼓判も…上原浩治氏と橋本清氏が口を揃える「不安要素」