著者のコラム一覧
小野俊哉ノンフィクション作家

1961年岡山出身。スポーツ・アクセス㈲取締役社長。早大理工学部卒、味の素、住友金属工業を経て、03年同社設立。プロ野球、メジャーリーグの記録を分析、評論し各メディアやメジャー球団に情報を提供している。

イチローの偉大な記録を見直して浮かんだ新たな「数字」

公開日: 更新日:

 今年5月、マリナーズの社長特別補佐となり試合から遠ざかってしまったイチロー。ギネスも認める日米通算4367安打の世界記録保持者である。メジャーリーグでの活躍を振り返り、「リビングレジェンド」と呼ばれるゆえんを、いま一度探りたい。

 2001年にメジャー入りすると、いきなり球宴最多得票の人気ぶり。首位打者、最多安打、盗塁王(.350、242安打、56盗塁)の衝撃デビューを飾りMVP、新人王に輝き、ゴールドグラブ賞、シルバースラッガー賞(ポジション別に打撃の最も優れた選手に贈られる)も受賞。同一シーズン7冠は史上初の快挙だった。活躍の裏には体重コントロールの成功がある。162試合の長丁場を乗り切るには、筋肉をつけ、体重増が不可欠と信じられてきた。しかしイチローは、「試したら体が動かなかった」と言う。すぐにオリックス時代の体に戻したのだ。その後、10年連続200安打の新記録をつくった。

 中でも04年がハイライトだろう。シーズン安打記録を84年ぶりに更新。シスラーの持つ257安打(1920年)を破って262安打に引き上げたのだ(打率.372)。MLB公式サイトは今月「破られない17の記録」を発表。ジョー・ディマジオの56試合連続安打(41年)やノーラン・ライアンの5714奪三振(66~93年)など伝説の記録と並んで、この262安打を選びトップに掲載。後半戦の打率.429は、飛ぶボールの時代(1920~41年)が終わって以降のメジャー最高成績である(後半戦の比較)。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    ドジャース佐々木朗希「今季構想外」特別待遇剥奪でアリゾナ送還へ…かばい続けてきたロバーツ監督まで首捻る

  4. 4

    中日・中田翔がいよいよ崖っぷち…西武から“問題児”佐藤龍世を素行リスク覚悟で獲得の波紋

  5. 5

    西武は“緩い”から強い? 相内3度目「対外試合禁止」の裏側

  1. 6

    「1食228円」に国民激怒!自民・森山幹事長が言い放った一律2万円バラマキの“トンデモ根拠”

  2. 7

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  3. 8

    辞意固めたか、国民民主党・玉木代表…山尾志桜里vs伊藤孝恵“女の戦い”にウンザリ?

  4. 9

    STARTO社の新社長に名前があがった「元フジテレビ専務」の評判…一方で「キムタク社長」待望論も

  5. 10

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは