著者のコラム一覧
鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

観客を襲うファウルと「フライボール革命」の因果関係

公開日: 更新日:

 大リーグの公式データ解析装置である「スタットキャスト」も打球速度を計測しているし、日々の練習の中で打球速度を上げるために打撃フォームの改良にいそしむ打者も少なくない。

 むろん、打球速度を向上させる打撃を身につけたとしても、すべての打球が長打となるわけではない。例えば、すべての球種の中でカーブの被本塁打率が最も低いことが分かると、多くの投手がカーブを効果的に投げて長打を防ごうとしている。打撃は繊細なものであり、たとえ芯から0.5ミリ外れただけでも長打が凡打になり、本塁打がファウルとなる。

■打撃速度の向上

 だが、今回と同様に観客にファウルボールが直撃した17年9月の事例では、トッド・フレイジャー(ヤンキース)の打ったファウルの打球速度が時速約170キロであった。

 このように、「フライボール革命」の下では、ライナー性のファウルは、以前に比べて打球速度が上昇する傾向にあることも事実だ。

 現在、大リーグでは各球団が「バレル」や「EV」を選手の評価に活用する場面が増え、選手も打球速度の向上に余念がない。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    N党・立花孝志氏に迫る「自己破産」…元兵庫県議への名誉毀損容疑で逮捕送検、巨額の借金で深刻金欠

  2. 2

    高市内閣は早期解散を封印? 高支持率でも“自民離れ”が止まらない!葛飾区議選で7人落選の大打撃

  3. 3

    箱根駅伝は「勝者のノウハウ」のある我々が勝つ!出雲の7位から良い流れが作れています

  4. 4

    女子プロレス転向フワちゃんいきなり正念場か…関係者が懸念するタレント時代からの“負の行状”

  5. 5

    高市首相「午前3時出勤」は日米“大はしゃぎ”会談の自業自得…維新吉村代表「野党の質問通告遅い」はフェイク

  1. 6

    歪んだ「NHK愛」を育んだ生い立ち…天下のNHKに就職→自慢のキャリア強制終了で逆恨み

  2. 7

    我が専大松戸は来春センバツへ…「入念な準備」が結果的に“横浜撃破”に繋がった

  3. 8

    学歴詐称問題の伊東市長より“東洋大生らしい”フワちゃんの意外な一面…ちゃんと卒業、3カ国語ペラペラ

  4. 9

    村上宗隆、岡本和真、今井達也のお値段は?米スカウト&専門家が下すガチ評価

  5. 10

    自死した元兵庫県議の妻がN党・立花孝志党首を「名誉毀損」の疑いで刑事告訴…今後予想される厳しい捜査の行方