著者のコラム一覧
山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

奪三振率はセ首位 藤川球児の活躍から見える阪神メソッド

公開日: 更新日:

 なお、2位は広島・フランスア(29試合登板)で12.16、3位はDeNA・パットン(21試合登板)で11.84だから、藤川はいわゆる断トツである。パ・リーグでは楽天の若きクローザー・松井裕樹が34試合の登板で15.03という超人的な奪三振率を誇っているものの、彼以外に藤川のそれを上回る投手はいない。リリーフ投手の適性とされる三振奪取能力においては、藤川はプロ21年目で不惑間近の今も、球界最高峰に位置しているようだ。

■お総菜の小鉢

 それにしても、阪神のリリーフ陣にはこの藤川の他に同じくベテラン左腕の能見篤史、さらにジョンソンとドリスの両外国人が控えており、今季も抜群の安定感を誇っている。00年代中期にその名を轟かせたJFKの時代以降、阪神リリーフ陣はその姿や形を少しずつ変えてはいるものの、安定感はずっと維持されているのだから、それはそれで感心してしまう。

 阪神という球団は先発完投型の大エースや長打力のある4番打者を育成・発掘することは苦手かもしれないが、その一方でリリーフ投手の発掘・育成・整備や、ついでに言うと脇役タイプの小兵野手を育成することに関しては、球団としての高度なメソッドでもあるのではないか。なんというか、メインの料理はないけど、お総菜の小鉢はどれもおいしい店みたいな感じがする。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    もしやり直せるなら、入学しない…暴力に翻弄されたPL学園野球部の事実上の廃部状態に思うこと

  2. 2

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  3. 3

    永野芽郁は疑惑晴れずも日曜劇場「キャスター」降板回避か…田中圭・妻の出方次第という見方も

  4. 4

    巨人阿部監督が見切り発車で田中将大に「ローテ当確」出した本当の理由とは???

  5. 5

    「高島屋」の営業利益が過去最高を更新…百貨店衰退期に“独り勝ち”が続く背景

  1. 6

    かつて控えだった同級生は、わずか27歳でなぜPL学園監督になれたのか

  2. 7

    JLPGA専務理事内定が人知れず“降格”に急転!背景に“不適切発言”疑惑と見え隠れする隠蔽体質

  3. 8

    「俳優座」の精神を反故にした無茶苦茶な日本の文化行政

  4. 9

    (72)寅さんをやり込めた、とっておきの「博さん語録」

  5. 10

    第3の男?イケメン俳優が永野芽郁の"不倫記事"をリポストして物議…終わらない騒動