著者のコラム一覧
山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

交流戦にはプロ野球界の「停滞を打破する」意義がある

公開日: 更新日:

 今年のセ・パ交流戦パ・リーグソフトバンクが優勝し、リーグ全体としてもパの勝ち越しが決まった。これで10年連続パの勝ち越しとなり、今や野球ファンの間で常識的に扱われている「パ強セ弱」の図式に変化は起こらなかった。特に昨年セ・リーグ3連覇を果たした広島が交流戦最下位に沈んだのは、広島だけでなくセ全体にとっても痛いところだろう。

 しかも、球団ごとの交流戦順位を見ても、下位の3球団がすべてセ・リーグである。巨人が孤軍奮闘(3位)でがんばったものの、リーグとしてはパより弱いという事実は疑いようがない。10年もこの状態が続いているわけだから、さすがに悲しくなってしまう。

 また、こうなってくると、以前から一部で唱えられてきた「交流戦廃止論」がさらに熱を帯びてくるかもしれない。交流戦はもともと客入りが悪いパ球団を救済すべく導入された部分があるわけだが、今ではパ球団の改革が進み、観客動員数も伸びたため、「交流戦は役割を終えた」「今や交流戦を実施する意義はなくなった」とする論だ。

 しかし、この観客動員数については、確かに伸び率という意味ではパの成長は著しいものの、それでも現状ではまだまだセがパの観客動員数を大きく上回っている。今季の1試合平均観客動員数を球団ごとに見ても、セではトップの阪神、2位の巨人がいずれも平均4万人超、その下にDeNA、広島、中日がすべて平均3万人台で続き、2万人台はヤクルトだけであるが、一方のパではトップのソフトバンクが唯一、平均3万人を大きく超えているだけで、残り5球団は軒並み平均2万人台である。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    コメ増産から2カ月で一転、高市内閣の新農相が減産へ180度方針転換…生産者は大混乱

  2. 2

    沢口靖子「絶対零度」が月9ワースト目前の“戦犯”はフジテレビ? 二匹目のドジョウ狙うも大誤算

  3. 3

    “裸の王様”と化した三谷幸喜…フジテレビが社運を懸けたドラマが大コケ危機

  4. 4

    ソフトバンクは「一番得をした」…佐々木麟太郎の“損失見込み”を上回る好選定

  5. 5

    ヤクルトのドラフトは12球団ワースト…「余裕のなさ」ゆえに冒険せず、好素材を逃した気がする

  1. 6

    小泉“セクシー”防衛相からやっぱり「進次郎構文」が! 殺人兵器輸出が「平和国家の理念と整合」の意味不明

  2. 7

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  3. 8

    菅田将暉「もしがく」不発の元凶はフジテレビの“保守路線”…豪華キャスト&主題歌も昭和感ゼロで逆効果

  4. 9

    元TOKIO国分太一の「人権救済申し入れ」に見る日本テレビの“身勝手対応”

  5. 10

    “気分屋”渋野日向子の本音は「日本でプレーしたい」か…ギャラリーの温かさは日米で雲泥の差