未達なら1年で打切り 盛田ファンド「選考とノルマ」の壮絶

公開日: 更新日:

 錦織圭(29=世界ランク7位)、西岡良仁(23=同73位)、望月慎太郎(16=全英オープンジュニア男子シングルス優勝)……日本のテニスファンに次々と話題を提供する盛田正明テニスファンド(MMTF)の趣旨は明快だ。

 世界に通用するテニス選手を育てるためには、世界レベルの交流と訓練が必要である。

 日本選手が実行するには莫大な金がかかる。個人競技のテニスでは家庭が育成するしか道はない。一般家庭にそうした資力も情報もない――それを援助しようということだ。

■旅費や食費や保険だけでも年間930万円

 奨学生の受け入れ先は、男子はIMGニック・ボロテリー、女子はゲイブ・ハラミロ経営のクラブメッド、ともにフロリダにあるアカデミーで、ハラミロはボロテリーの右腕だった人物だ。

 全寮制で午前8時から午後5時までコート練習、トレーニング機器を使ったプログラムをこなし、英語のレッスンや通信教育を受けながらテニス漬けの生活。一般には、寮費や食費で8万ドル、各種保険6000ドルを合わせると年間930万円前後が必要になる。

 年1回のフロリダと成田空港間の往復チケット、アカデミーの滞在費、アカデミーが決めた遠征費、学校に通う学費、日本の通信教育を受ける場合はその費用も全額負担され、錦織は途中から個人コーチの援助も受けた。こうした奨学金の返済義務は求められていないが、選ばれる条件は厳しい。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  2. 2

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  3. 3

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  4. 4

    片山さつき財務相の居直り開催を逆手に…高市首相「大臣規範」見直しで“パーティー解禁”の支離滅裂

  5. 5

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  1. 6

    小林薫&玉置浩二による唯一無二のハーモニー

  2. 7

    森田望智は苦節15年の苦労人 “ワキ毛の女王”経てブレーク…アラサーで「朝ドラ女優」抜擢のワケ

  3. 8

    臨時国会きょう閉会…維新「改革のセンターピン」定数削減頓挫、連立の“絶対条件”総崩れで手柄ゼロ

  4. 9

    阪神・佐藤輝明をドジャースが「囲い込み」か…山本由伸や朗希と関係深い広告代理店の影も見え隠れ

  5. 10

    阪神・才木浩人が今オフメジャー行きに球団「NO」で…佐藤輝明の来オフ米挑戦に大きな暗雲