著者のコラム一覧
武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

まずはメンタル克服を 大坂なおみを襲うランク降下の恐怖

公開日: 更新日:

 テニスの聖地ウィンブルドンでは、既に予選が始まっている。本戦は月曜から。ツアーの繁栄を物語るように、今年は1番コートにも屋根がかかった。4年前から全仏との間隔が3週間になり、以前ほど雨に泣かされることもなくなったが、円滑な運営確保は興行の成否に関わる。

 大坂なおみが世界1位から陥落し、日本勢への期待はやや薄れているようだ。正直、優勝が期待できる状況ではないが、錦織圭の戦いには注目したい。

 全豪、全仏とも前半戦で下位選手にてこずって消耗し、上位と対戦するまでに「タンクが空っぽ」の状態だった。それだけ選手層が厚くなっているとはいえ、10年選手に、もはやそんな言い訳は通用しないだろう。

 優勝はほど遠いが、悪いわけでもない。4大大会はここまで、昨年のウィンブルドンがベスト8で、全米がベスト4、続く全豪、全仏がベスト8――直近のメジャー4大会すべて8強に残ったのは、錦織の他にジョコビッチとナダルだけだ。

 ただ、ファンの期待は安定性より爆発力だ。ウィンブルドンの後は米国に移って、得意のハードコートシーズン。最大の狙いは8月末の全米オープンだが、ハードコートは誰もが得意、誰もが全米を狙っている。そこで爆発力を発揮するため、このウィンブルドンでは、相手に存在感を確認させるだけの結果が欲しい。〈8強維持〉は最低条件だろう。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本ハムが新庄監督の権限剥奪 フロント主導に逆戻りで有原航平・西川遥輝の獲得にも沈黙中

  2. 2

    白鵬のつくづくトホホな短慮ぶり 相撲協会は本気で「宮城野部屋再興」を考えていた 

  3. 3

    DeNA三浦監督まさかの退団劇の舞台裏 フロントの現場介入にウンザリ、「よく5年も我慢」の声

  4. 4

    藤川阪神の日本シリーズ敗戦の内幕 「こんなチームでは勝てませんよ!」会議室で怒声が響いた

  5. 5

    佳子さま“ギリシャフィーバー”束の間「婚約内定近し」の噂…スクープ合戦の火ブタが切られた

  1. 6

    半世紀前のこの国で夢のような音楽が本当につくられていた

  2. 7

    生田絵梨花は中学校まで文京区の公立で学び、東京音大付属に進学 高3で乃木坂46を一時活動休止の背景

  3. 8

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢

  4. 9

    田原俊彦「姉妹は塾なし」…苦しい家計を母が支えて山梨県立甲府工業高校土木科を無事卒業

  5. 10

    プロスカウトも把握 高校球界で横行するサイン盗みの実情