酷暑の東京五輪で最も危険…50km競歩はマラソンより過酷

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■炎天下の単調コースを25周

 競歩の今村(文男)五輪強化コーチは4年ぐらい前から暑さ対策を行ってきた。今回の世陸は「東京五輪のシミュレーション」というが、ドーハの競歩は猛暑を避けるため深夜(現地23時30分)スタートだ。元陸連専務理事で91年世陸東京大会の大会本部長だった帖佐寛章氏はこう懸念する。

「五輪本番のスタートは早朝5時30分。競歩の競技時間は3時間40分から4時間半。酷暑を前提にすれば皇居前の午前7時の気温は30度を超え、湿度は80%以上だろう。6時スタートのマラソンは、約37キロから高低差30メートルの四谷の上り坂になる。ここを通るのは8時すぎ。50キロ競歩の先頭がゴールするのは9時すぎだから、もっと気温は高くなっている。競歩は日陰がまったくない単調なコース。風が吹かなければ体表の水分は蒸発せず、熱中症のリスクはさらに高まる」

 さらに帖佐氏は続ける。

「今年3月の国際陸連の決定で五輪の50キロ競歩は東京が最後になる。金メダルも期待できる種目なので、多くの観客が応援にやってくることが予想される。日本選手にとってはうれしい半面、無理をしないか心配です。マスコミや五輪組織委員会は、マラソンの熱中症についてばかり取り上げているが、競歩の危険性についても認識し、報じるべきです」

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