残留も視野って…筒香、菊池、秋山の低すぎる米挑戦への志

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年10億円以上も

 が、メジャー契約が結べなくても、年俸が安くても、メジャーに昇格した場合に年俸が上がるスプリット契約でも、チャレンジしないことには始まらない。

 米メディアは菊池が「打線の下位を打つタイプだが、守備に優れたイグレシアスに近い」と今季レッズでプレーし、15年の球宴に選出された遊撃手に例えている。

 そのホセ・イグレシアス(29)は今年2月にレッズとマイナー契約を結び、メジャーの春季キャンプに招待されると、驚異的な守備力が評価され、遊撃のレギュラーに定着。打率・288、11本塁打、59打点をマークした。今オフFAとなっており、年俸の大幅アップは確実だ。

 メジャーリーグ事情に詳しいスポーツライターの友成那智氏はこう言う。

「日本人野手が最初から大型契約を結ぶのは難しい。例えばレンジャーズの秋信守(37)はマイナー契約から這い上がり、13年オフに7年総額1億3000万ドル(約145億6000万円)という大型契約を結んでいます。日本人野手がメジャーに挑戦するなら、それくらいの覚悟を持って海を渡らないと。活躍すれば上がり幅も大きいですから」

 最初はシビアだし、メジャーの年俸がごく一部の選手を除いて縮小傾向にあるのは事実だ。それでも3年続けて活躍すれば、日本球界では考えられない年10億円以上も十分期待できる。それがメジャーである。

 一方で、最初から大金をもらってメジャー入りした場合、背負うプレッシャーは計り知れない。

 06年12月に阪神からヤンキースにポスティング移籍した井川慶は、5年約22億7000万円+出来高という大型契約を結び、鳴り物入りで入団。が、最初の2年間で2勝(4敗)を挙げただけで、3年目以降はマイナー暮らしが続いた。米メディアにはいまだ「ヤンキース史上最悪の契約」といわれている。

 期待が大きいだけに、裏切った時はマスコミやファンに激しく叩かれる。反動の凄まじさは、日本のそれとは比較にならない。

 カネが安いからメジャー挑戦を諦めるというのでは、あまりに志が低い。大金を手にして海を渡るより、大金は渡米してから稼ぐべきではないか。アスリートとしての欲求を満たし、なおかつメジャーで結果を残せば、カネもついてくるのだから。


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